水戸黄門と言えば、TBSがナショナル劇場として放送したシリーズが有名です。
私も子供の頃から見ていましたが、何と言っても番組の終盤に出す
印籠
が楽しみでしたよね?
でも、このシリーズ初期のころは印籠を出していなかったって知ってましたか?
水戸黄門
水戸黄門は江戸時代の水戸藩主・徳川光圀の別名称です。
実際の黄門様はドラマのように日本全国を旅したことなどありません。あくまで創作です。
実在の水戸藩主である徳川光圀は、国史編纂(『大日本史』)の為に史局員の儒学者らを日本各地へ派遣して史料蒐集を行っていることから、日本中の情報を収集していたことには違いなく、そんな事情もあってか彼が世直しのため日本各地を漫遊したという
水戸黄門漫遊記(みとこうもんまんゆうき)
が世に広まったと言われています。
テレビシリーズ
テレビで水戸黄門が放送されたのは意外と古く、1954年に日本テレビで
「エノケンの水戸黄門漫遊記」主演:榎本健一
が放送されていました。ですので、私たちがドラマの水戸黄門だと思っているTBSのナショナル劇場は1969年8月からスタートしたもので、初代黄門様は言うまでもなく東野英治郎さんが務めました。
第1部のキャスティングは
- 水戸黄門:東野英次郎
- 助さん:杉良太郎
- 格さん:横内正
と言う布陣でした。
初期は印籠を出していない
水戸黄門と言えば、だいたい番組後半(45分頃)になって黄門様一行が悪い奴らの屋敷などへ押しかけてひと立ち回りした後に
「静まれ~静まれ~!この紋所が目に入らぬか!!」
と叫びながら周囲に印籠を見せるシーンが定番です。
が、初期の頃はこの印籠を出していないんですね。黄門様は登場するには登場するんですが、印籠もなく
「こちらにおわすは、天下の副将軍、徳川光圀公なるぞ!!」
と名乗っているだけなんですね。しかも、それで悪い奴が平伏する訳ではなく、名乗っているだけなのでニセモノ扱いする訳です。もちろん、他の人たちは本物だと思って平伏するんですけどね。
水戸黄門第1部第6話
それでは、その場面を御覧ください。
だいたい41:09秒あたりです。
水戸黄門こそ時代劇の中の時代劇
水戸黄門は1部からスタートして最終的には43部まで放送された超長寿番組となりました。
連続して放送されたわけではありませんが、1969年から2011年まで42年にわたり人々に愛された時代劇だったのですね。
黄門様も東野英次郎さんを始め西村晃さん、佐野浅夫さん、石坂浩二さん、そして自らは助さん役で初期の頃に登場していた里見浩太朗さんの5人が務めました。
悪い奴は絶対に逃がさない。そして必ず懲らしめると言う勧善懲悪の時代劇は、この水戸黄門が作り上げたと言っても過言ではないでしょう。
今も東野英次郎さんの高らかな笑い声が聞こえてきそうですね。