日本テレビ系の夏ドラマ「家売るオンナ」。不動産営業ウーマンが主人公のドラマは、今だかつて私は見たことがありません。
医者や教師、弁護士などの職業のドラマは、毎クールひとつはあると言ってもよい程ですが、男性社員が多いイメージがある不動産販売という業界、その中で働く仕事のできる女性にスポットを当てているというだけでも、斬新で、大変興味深い作品ではないかと期待できます。
第1話感想
このドラマは、私生活の結婚でも世間を賑わせた人気女優の北川景子が
「私に売れない家はありません!」
というのが決めゼリフで、どんな手段を使っても家を売ってしまう強くてデキる女主人公、三軒家万智という不動産営業ウーマンに扮する痛快作です。
不動産会社の上司や職場の社員も、皆個性的でとてもいい味出している印象でした。
具体的には、仕事もできて人格も良いが、管理職としてやりたい放題の三軒家に手を焼く上司である屋代大(中村トオル)は、私から見ると理想の上司といった感じです。
若手営業マンで売り上げは少ないが、とてもいい人でやる気もある庭野聖司(工藤阿須加)は、三軒家と行動を共にしていくうちに、どんどん腕をあげそうな期待の新人です。
甘いマスクで家を売るエリート営業マンの足立聡(千葉雄大)は、流行の草食系男子要素を発揮しながら、仕事もそつなくこなすあたりが現代的で面白いキャラクターです。
売上ゼロの新人営業ウーマンの白洲美加(イモトアヤコ)は、超図太い神経を兼ね備えたゆとり世代を象徴するキャラクターですが、仕事をナメている所や、すぐ仕事を休もうとする所などを見ていると、少しイライラします。これからどう変わっていくかが楽しみです。
売れない家はないと豪語する理由
今回三軒家は、他の人が売るのに苦戦していた5000万円の1LDKマンションを売るのですが、その手腕は豪語するだけのことはありました。
家を売るために子供の世話を引き受けてしまいます。しかし、それは
- 今住んでいる亡くなった祖母の家や子供を直接見る機会を作る
- この家族に必要な要素を調査する
ことだったのです。その結果、共働きの医者夫婦と寂しい想いをしている子供にとって一番大切なのは、
家族が一緒にいられて、体温を感じることができる空間である
と、その家族の問題を解決できるプレゼンをし、見事子供と親の両方の心を掴むことに成功したのです。営業の本質をわかっている気がしますね。
他にも、何回も内覧に来ているものの「買う決断」をしない夫婦には、即決する偽の内覧夫婦を実際に連れてきて決断させたり、裏道を通ることで地区に詳しいことを客に証明して信用を得たりと、不動産屋のデキるテクニックを駆使していましたが、どれもお客さんの背中を押して、幸せな気分にして購入させているという点では、お客さんの心を掴むとても好感が持てる営業ウーマンだと思いました。
不動産業界のテクニックに関しても興味深い点が多数ある他、それぞれのキャラクターにも大変興味が湧いてくるドラマで、今後が楽しみな作品ですね。三軒家が一家8人惨殺事件の家に住んでいる疑惑も、かなり気になるポイントです。