第7話では、大手玩具メーカーの社長が、副社長である息子の川村英樹(高嶋政伸)に殺害されてしまいます。しかし、逮捕されたのは、なぜか専務取締役の西岡(嶋田久作)でした。
第7話感想
深山(松本潤)、佐田(香川照之)そして玩具メーカーの会社顧問弁護人である志賀(藤本隆宏)の3人が、容疑者である西岡の弁護人として話を聞きに行くと、西岡は
「全く見に覚えがない」
と語り、その娘も、西岡とは犯行時刻一緒に家にいたと証言し、嘘をついている様子はありませんでした。身内の証言では、説得力が足りないという点と、凶器の花瓶から検出された西岡の指紋が決定的な証拠となって、西岡は起訴されてしまいます。
会社にとっての利益
どう見ても怪しすぎる息子の川村英樹の犯行を立証するため、コツコツとした調査を重ねていきます。娘が、
西岡が社長に留守電を入れた時に自分が話しかけた声が録音されているかもしれない
と思い出しますが、これも息子に先手を打たれ、大事な録音記録は消されてしまいます。しかし、割れた凶器の花瓶の写真を頼りに、花瓶をコピーした紙を使ってパズルの要領で花瓶を復元し、余分な破片があること、西岡の指紋が検出されたのが、その破片からのみだったことを裁判で明らかにして、息子の持っていた花瓶と西岡が職場に飾っていた花瓶を入れ替えたことを、底のシリアルナンバーを使って立証することで、西岡の無実を見事証明してみせたのでした。
この息子役を演じた高嶋政伸さんのイヤミな演技も腹立たしさを増幅させてくれます。
こんなヤツやっつけて!
と思っているところへ、いつもの0.1%を見つけると言う演出はスッキリ度満点でした。
でも、コツコツとした地道で根気強い調査や、状況を一つずつ面倒くさがらずに検証していく作業が真実を導き出す唯一の方法なのだという事を、毎回の案件を見るたびに感じます。
また、顧問弁護士である志賀の
「会社の利益のためにあなたを裏切った」
といった言葉は説得力がありました。顧問弁護士は会社の弁護士であって個人弁護士じゃないのですから。そして、そんな人間が会社を背負うことによって家族ある従業員が負うリスクと、専務が会社を背負った場合のメリットを考慮しての判断だって言うのはまさに正論でした。これもスッキリさせてくれた要因でした。
毎日いろいろな事件が発生している中で、ここまで丁寧な操作をすることは現実的に厳しいものがあるのかもしれませんが、起訴された事件の有罪率が99.9%という事実がある以上、しっかりとした捜査が現実社会でも行われるように願う気持ちが強くなりました。