第4話では、ライバル会社の和田社長(北村一輝)の恋愛アドバイスを忠実にメモして、想いを寄せる新入社員の柴山美咲(波瑠)へ愛の告白を計画する鮫島社長(大野智)のお話でした。
第4話感想
次に建設するホテルの料理人をヘッドハンティングするための視察という口実で、1泊2日の出張に柴山と行くことに成功した鮫島社長は、終始和田社長のアドバイス通りに行動し、なかなかの好感触を得ていきます。しかしながら、最後の愛の告白だけは、お酒の力を借りても、バラの花束を用意して自分をとことん追いつめても、どうしても行動に移すことができないまま、終わってしまいます。
柴山への気持を封印
そして鮫島社長は、秘書と運転手にこう呟きます。
「俺は今まで、恥ずかしいから告白できないのだと思っていた。でも、そうではない。俺は怖いのだ。10歳も年下の新入社員に告白し、社長である自分がフラれるのが‥今まで何人もの社員に、会社の発展のために【クビ】を宣告してきた俺が、一人に【好き】の一言すら言えないなんて。」
と苦しみ、柴山への気持ちを封印することを決意します。
この気持ちは、すごくわかります。自分にとって大切な相手であるほど、あるいは、自分の想いを伝えることで失うものが多ければ多いほど、怖くて動けなくなってしまうものだと思います。特に、自分の中で自信のない弱い分野であるほど、その傾向は強く、鮫島の場合は、それが恋愛なのだなぁと思いました。
本当に好きなものに好きだと言えない
鮫島が出張の次の日も料理人の料理を一人で食べに来たとき、料理人は和田の所に行くことにしたと話しました。決め手となったのは
和田が食べに来た時に料理を称賛してくれたこと
だと話した時、鮫島はこう言います。
「僕は普段お酒を1杯程しか飲まないが、ここでは2人で3本、今日も1本軽く空けてしまった。これは貴方の料理の力だ。私は、本当に好きなものには、好きだと言えない性格で、本当に申し訳ない。一度食べに来ただけですべてをわかったように称賛する事さえ、失礼ではないかと思った。だから、何度でも足を運んで、貴方の料理を愛していることを伝えたいと思って来た」
このセリフに料理人も口説かれたわけですが、私も口説き落とされました。
まったくその通りだと思ったからです。その場で気持ちの良い耳障りの良い言葉はいくらでもいえると思います。でも、鮫島は自分の気持ちに素直で忠実だから
何度でも足を運んで、貴方の料理を愛していることを伝えたい
なんてセリフがさらっと出るのでしょうね。とても深いけど素晴らしいセリフだと思います。
柴山への思いを封印した鮫島ですが、仕事となればこんなにも自分らしくて心を打つ言葉が言えるのに、恋愛だと不器用になってしまう彼を、ますます応援したくなりました。