今回、営業二課と営業三課で、部長に提出するための企画コンペが行われることになりました。織田課長は、三課の部下である安芸(山内)と一ノ瀬(中島)の将来のことを最優先に考えて、絶対にこのコンペに勝とうと情熱を燃やすが、三課全員で気付きあげた財産は、思わぬ形で奪われることになってしまいます。
第5話感想
営業コンペのテーマを話し合う際に、安芸はコンペの決定権を持つ部長の肝いりである「バイオマス燃料」を取り扱うべきだと助言しますが、織田課長は、他の人がすでに開発しているテーマなど扱いたくないと言い、現在開拓中のテーマであるイランの石油を扱いたいと主張します。
自分の出世など後回しで、信念を優先させることを知っている安芸は、せめて部長と一席設けて根回しし、イラン石油でいく了承を取ってほしいと頼みます。営業三課全員で接待中に、営業二課から電話があり、そちらにも顔を出すことになった部長に、イラン石油をテーマにしたいと言ったところ、絶対にダメだと言われてしまいます。
本来なら、それでも自分の主張を曲げたりしない織田課長ですが、今回は安芸や一ノ瀬の将来を最優先に考え、手柄や大きな仕事のチャンスを与えてやりたいという想いから、バイオマスで行こうと決意します。
途中、バイオマスの工場が他の企業と契約してしまい、別のテーマを考えろと部長にはしごを外されますが、それでも粘り強く考えて代替案を思い付き、営業三課3人で徹夜でまとめた企画案。部長からも、とてもよくできていたと評価してもらいます。
しかし、今回は着手に時間のかからない営業二課の案を先に進めて、営業三課の準備が整い次第そちらも進めて行こうという複雑な回答をもらいます。それでも、財産は三課に残ると思っていた矢先、偶然にも店で廣野取締役と営業一課に出会い、三課の企画書を見て一言
「同じテーマを異なる部課でやるのは無駄なので、一課に引き継いでくれ」
この言葉一つで、営業三課の財産は、一瞬にして奪われてしまいました。会社というものは、そういう不平等で報われない部分の多い場所なのかもしれませんが、本当に可愛そうでした。
一ノ瀬は上司の人柄には恵まれていますが、部署として報われません。香月は報われないながらも素直な心とで精一杯の努力しながら、確実に前に進んでいます。早く成果を上げたすぎて大切なことが見えていない桐明と、やっかいすぎる上司を持つ人見が今後の気がかりです。