「家族ノカタチ」最終回(第10話)では、陽三の病状が悪化し、そしてとうとう眠るように逝ってしまう。
(過去の感想はこちら:第1話・第2話・第3話・第4話・第5話・第6話・第7話・第8話・第9話)
最終回(第10)話感想
陽三の言葉
陽三は最後の言葉として浩太には
「できた友達を大切にしてほしい」
ということを、そして大介には
「葉菜子との出会いを大切にして、絶対に離すな」
ということを言い残し、眠るように逝く。
陽三が亡くなる前に、陽三のやりたかったことを叶えてあげようと、大介の家に大勢の人を招いて食事パーティーをする。その時に、陽三が葉菜子の母親に呟いた言葉が、私にはとても印象的だった。
人と言う財産
「俺は、お金になるような財産は、子供たちに何ひとつ残してやれないけれど、ヒトという財産は、できるだけ残してやりたいと思っている。この世の中で生きていけば、大変なことや辛いことが、数えきれないほど起こるけれど、一緒に飯を食って、美味しいねと言い合える誰かさえいれば、たいていのことは、不思議となんとかなるものだ。」
この言葉は、本当に深いと感じた。
どんなにお金があっても、どんなに自分に才能があっても、辛いことは起こる。その時に、隣にいてくれる誰か、隣にいてほしいと思える誰かに居てもらえることほど、救われることはないだろう。
大介のプロポーズ
大介は、陽三の告別式の喪主挨拶で、陽三と暮らすことで変わった自分の考え方を語った。
「俺はやっぱり一人が好きだけど、二人や三人も悪くないと思えるようになった。一人でもいいけど、一緒にいるならこの人しかいないと思う人にも出会えた。」
と、葉菜子にプロポーズをする。葉菜子はこれを受け入れ、たくさんの方に祝福されて二人は結ばれる。そして、お互いの部屋を行き来して、自分の時間を大切にしながら、相手の一人の時間を優先させてあげながら、二人らしい夫婦生活を送り始める。
家族のカタチ
この物語のように、家族のカタチには、色々なものがあって良いのだと思う。
「自分はこの人と一緒に居たい」
そう思える人ができたら、結婚したらこうしなければならないとか、こうあるべきだなどという固定観念を捨てて、自分たちらしい形を作っていけばいいのだろう。
ただ、何より大切なのは、面倒なこともあるけど、自分と違う人間も全部含めて、たくさんの人と関わり、認め合って、ヒトという財産を気付いていく作業だと感じた。