ドラマ「重版出来!」9話の感想です。
今回、ラブコメ&バトル漫画である「ツノひめさま」の中に、ダークな面が隠されている!と指摘する人物が登場。ライバル社のエンペラーの編集者ですね。でも、実は「ただの読者」もそれを見抜いているのでは?と思ったので、それを書いてみました。
「ツノひめさま」に隠された謎
主人公・黒沢心たちから見てライバルである出版社エンペラー。このエンペラーが、漫画家の高畑に、
ツノひめさまにはダークな面がある
と指摘!……え?そうなの?
ドラマ内ではラブコメだと言われているし、心たちの出版社では、どう見てもツノヒメの元気さや明るいタッチな面を重要視しているように見えますが。ちょっとビックリですよね。ちょこちょこ人間の暗い面が見え隠れしていたのでしょうか?しかも、作者(高畑)も、
本当に書きたいものはダークな漫画のほうだ
と返答しています。なぜわかった?みたいな感じですので、誰も気づいていないと自分でも思っていた様子……。
しかも、エンペラーはこちらよりギャラが高いと誘って、引き抜こうとしてきます。今回、本当に描きたいものを描かせてあげるのが、漫画家だと心も教えられていきます。でも作者いわく「金の話ではない」と言っているので、本当に描きたいものを描かせてもらっていなかった?とも考えられますね。
エンペラーだけがそれに気づいてあげられたのでしょうか?だとしたら、スゴイですが主人公たちの立場は……?
エンペラーだって読者だ
でも、ツノヒメの中にダークな面があるとわかるのは、編集者としてではなく、ただの読者としての感想ではないかなとも思うのですよね。漫画がそこにあって、漫画家がひっそりと何かを実は描いていて、それに気づいたのは、エンペラーだけだったってことはないはず。
1人の人間であるエンペラー編集者がそれに気づいたなら、鋭い読者の中にも、ツノひめさまのダークな面に気づいている人がいるはず。よく漫画に隠されたメッセージってありますけど、漫画家がさりげなく表現したものに気づく人ってけっこういますよね?エンペラーは、ただの鋭い読者ではあるものの、ツノひめさま出版社の心たちより優れているわけじゃないでしょう。ダークな面に気づき、自分たちだけが才能に気づけた!それは編集者としては確かに、優秀!でも、それを含めてツノヒメさまなのだから、心たちの出版社は、もうすでに、無意識的にでも気づいているといえます。
ちなみに、今回の最後では、心たちが編集者ではなく、1人の人間としてツノヒメさまの「ファン」だったことを打ち明けています。いわゆる、
どいつもこいつのただの読者でしかないってこと
ですよね。編集者=鋭いただのファンという認識も出来る気がします。
エンペラーVS心たちでしたが、もちろん、心たちのほうに作者の高畑は残ります。おそらく実力的には同程度だと思うのですよね。でも、心たちが勝った(?)理由があるとしたら、
作品を愛して、応援している度が、心たちのほうが上
だったんだろうなって、ただそれだけだったと思いますね。編集者の義理とかではなく。実際の業界もそうなんじゃなかろうかと想像したいですね。
「担当者が作者の本当に描きたいものをわかってないうちは、ただの読者」という発言も出てきますが……。編集者もある意味、ただの読者でしかない気がします。