今回は、以前逮捕した美人異常犯罪者の都和(佐々木希)と、藤堂比奈子(波瑠)の地元の知り合いである永久が手を組み、東海林(横山裕)が人質に取られ、藤堂は決断を迫られます。
藤堂は絶体絶命ですが、犯罪者側にまわることなく、踏みとどまることができるのでしょうか。
最終回感想
いよいよ藤堂の犯罪スイッチを押そうとする存在、地元の知り合いである永久が姿を現しました。彼女は獄中にいる都和に暗号入りの手紙を送り共犯を持ちかけ、東海林を藤堂をおびき寄せるための人質として連れて行きます。それだけでなく、先輩男性刑事のクビを一切躊躇なく切り付け、藤堂に囁きます。
「選択肢を与えてあげる。警察に話して東海林を見殺しにするか、一人で言うとおりに来るか」
藤堂は悩んだ末に、永久の指示に従って一人で現場に行きます。
共犯者の都和は、あっけなく永久に焼かれて死んでしまいます。今まで動物虐待を繰り返してきただけに、今までの犯罪者の中で最も人を殺すことに躊躇いがなく、強敵な異常犯罪者だと思います。
永久は、殺されるくらいにまで虐待をし続けた父親と、父親が怖くて何もできなかった母親、いたずらを続けた施設の管理者など、ことごとく人に恵まれずに育ったようで、その不幸すぎる環境が、彼女をこのような異常犯罪者にしてしまったようです。その点は、大変同情してしまいます。どうして自分の子を虐待したり、命がけで守らない親がいるのだろう…それならどうして産むのだろうと、本当に理解に苦しみます。
藤堂も、父親から「怪物だ!」と言われたことにかなりの精神的ショックを受けたようですが、母親が娘を守り、信じて
「大丈夫、あなたはきっと、正しく生きていける」
と言った言葉と、抱きしめてもらったぬくもり、形見にもらった七味、それに刑事になってからできた中島先生(林遣都)や仲間とのつながりがあったからこそ、犯罪者にならずに踏みとどまることができました。
誰しもが、犯罪者になるスイッチを持っていて、ひょんなことからそれが押されてしまう可能性を秘めているし、被害者になる可能性も大いに秘めているということを、私たちも自覚しつつ、できるだけリスク回避をしなければならないと思います。自分が当事者にならないようにするのは当然ですが、大切な誰かがスイッチを押してしまいそうになったときは、抱きしめるなり、言葉を投げかけ続けるなりして、そちら側に回ってしまう前に、引き戻さなければならないと強く心に刻むことができるドラマでした。
残虐なシーンも多かったですが、展開も早く演技も迫真で、最後までとても興味深く見ることのできたドラマでした。