ヒガンバナ第10話(最終回)では、前回の資産家殺人事件の後編となっている。疑わしいとわかってはいるものの、20年前の事件に絡んで警察内部からの捜査妨害により真相が突き止められないのだ。
(過去の感想はこちら:第1話・第2話・第3話・第4話・第5話・第6話・第7話・第8話・第9話)
最終回(第10話)感想
目的は遺産だった
ヒガンバナが疑っている家政婦(斉藤由貴)は、家族と疎遠になっていて世話をしてもらえていない孤独を抱えている資産家の老人に献身的に尽くすことで、孤独の隙間に入り込んで公正証書を作らせて遺産を受け取ることを繰り返していた。
家政婦は養護施設で育ち、DVを振るう男や借金をする男などに酷い目に遭わされ、男を利用する側に回ろうと考えたのかもしれないが、資産家の老人には本当に親切に接していて、孤独を抱える彼らにとっては、天使のように見えたことだろう。
来宮は、いくら自分が男に酷い目に遭ったからといって、騙してはいけないと言っていたし、正論だとは思うものの、私は内心こう思う。
家政婦は遺産をもらう権利があるか
お金はあっても、孤独で家族のぬくもりを求めている方々にとっては、血が繋がっていなくても、自分に優しく笑顔で世話をしてくれる家政婦のような人の存在は、ものすごく大きかったのではないだろうか?
血が繋がっているというだけで、全然世話をしていないのに平然と
遺産を受け取れる
と考えている身内の方が非情ではないかと思う。
遺産目的で老人を自らの手で殺めてしまっていたとしたら、もちろんそれはいけないことだが、命が尽きるまで献身的に世話をして、老人にとって最後まで心のよりどころであったなら、その遺産を家政婦が相続することは
正しいこと
なのではないかと。
20年前の全容
警視庁の闇も遂に明らかとなった。
- 以前裏金作りをしていたこと
- その最中に来宮の父が殺害される事件が起きたこと
- その騒動を利用して裏金のスキャンダルを闇に葬ったこと
これらうやむやにした真実を、誤認逮捕の疑いについて説明するための記者会見にヒガンバナの瀬川課長(大地真央)がすべて公表する。その結果、警察の後ろ盾に守られていた家政婦の雇い元である男(ダンカン)と家政婦(斉藤由貴)も逮捕され、隠ぺいを行っていた警察の人達も処分を受けて、すべてが解決した。
こうなってしまった原因は、ヒガンバナと言う理想を実現するためとは言え悪いこととわかっていてもそれを受け入れてきたからだった。当然、ヒガンバナのメンバーには非難されたが、それがキッカケで目が覚め、記者会見での暴露へとつながることになった。
裏金が
- 何の目的で集められ
- 何の目的で使われた
のかや、20年前のメンバーが重要ポストに就いていることの関連などは何一つ明かされることはなかったが、それは想像に任せる…ということなのでしょうか?
何かを隠ぺいしようとすると、どんどん嘘を重ねなければならなくなり、弱みも増えていく。できるだけ早い段階で、真実を語ることが、結局は傷を浅く済ませることになるのだろう。
最終回最後のシーンは凛(高梨臨)と東野(市川知宏)の結婚式だった。8話で急接近した二人が結ばれて良かったと思いながらも、何かスッキリしない感じでドラマを見終えた。