第3話は、大介が今まで人づきあいが苦手で、面倒なことはすべて母親に任せていた父親の陽三が、母親の死後こんなにも別人のように変わったのはどうしてなのかが、一つのポイントになっていた。
第3話感想
大介は、陽三が再婚しためぐみの存在が性格を変えたと考え、母親が生きている間は何一つしてあげていなかったにも関わらず、今さら自分勝手だと陽三に対して苛立ちを覚えていたが、陽三が変わった本当のきっかけは
死んだ母親が陽三に残した手紙
だったことを知る。
母親の手紙
自分が死んでから陽三が身の回りのことに困るだろうと心配した母親は、その手紙に生活に必要なことをわかりやすく纏めて、さらに、自分一人で何でもしようとしても年をとってからは無理なのだから、これからは他の人に連絡を取って助け合って生きてほしいという、優しさ溢れたメッセージが綴られていた。
母親に、母親らしいことをしてもらえていなかった浩太を見た大介は
「普通のことを普通にやってくれる母親に育てられてラッキーだったけど、感謝の言葉を言った覚えがなく、父親が言っているのも聞いたことがない」
と言っていて、私もハッとさせられた。それでも、こんな思いやりのある言葉や、自分は幸せだったと手紙に書ける大介の母親は、本当に温かくて優しいよい母親だったのだろう。
挨拶できれば何とかなる
子供を虐待したり育児を放棄する親や、自分のことばかり考える親がたくさんいる中で、私自身もとても温かい親に育てられたけれど、お礼を言ったのは、結婚式で読んだ手紙くらいだった。
これからは、伝えたいと思った時に、感謝の気持ちを言葉にしていかなければならないなと思った。
陽三が浩太に
「人間、挨拶できれば何とかなるから」
と言っていたが、生きていく上で、すべての原点になっている言葉のように感じた。
人と関わると確かに面倒なこともあるが、一生一人で生きていくことはできない。
面倒に巻き込まれることも、自分のペースを乱されるもの、人生の醍醐味だと思えるように、なっていけたらいいなと思う。
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